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☆Alice's Review☆

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Mustheel-alice「Abu Ghraib」,SINDYANA group「Woman Sindyana」__霜垣 真由美
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    「センディアナの女&アブグレイブ」を見て

     この芝居を見る前に、ひとつ考えたことがありました。それはバグダッドの劇団ということは、おそらく、そこで使われるセリフが英語でなく、もちろん日本語でも無いだろう、ということから出て来たものです。英語でさえ怪しいのに、今までの人生で初めて聞くバグダッド、チェニスの言葉(アラビア語になるのでしょうか)に対する、漠然とした不安感が当日芝居を見るまで、ずっと付きまとっていました。しかし、その不安感もこの芝居を見始めてすぐにどこかへ行ってしまいました。その理由については後ほど記しますが、今回この芝居と出会えたことにより、今まできちんと見て来なかったことを見るきっかけになったのではないかと感じています。私にとってこの芝居はとても生生しく、刺激的でした。見ることが出来てよかったと心から思うと共に、是非またこのような芝居と出会いたいと願っています。

    Mustheel-alice fromバグダッド/「Abu Ghraib—アブグレイブ刑務所」/ 演出= アナス・ヘイテム

     本編が始まる前に、この作品を作るきっかけとなった話を伺いました。自分の妄想力の逞しさに加え、その解説も助けになり、作品が自分の中に入って来るような、それとも自分が作品の中に入ってしまったのか、不思議な感覚になりました。苦しんでいるようにも見える床に転がる役者さんに、戦地の真ん中に居るかのように響く銃撃音と飛行機の音。圧力をかける側にかけられる側、鎖でがんじがらめになったサックス。舞台の隅々に広がるいろいろな仕掛けや、役者さんの演じているものが、ダイレクトに自分の方に迫ってくるような・・・。一つ一つは抽象的なような、いろいろなものとして受け手が捉えることの出来るものであったと思います。その抽象的な記号のようなキーワードのようなものが、自分に突き刺さってくる感じをうけました。

     劇中、何度かセリフを聞きました。バグダットの言葉であったと記憶しています。もちろん今までの人生の中で聞いたことの無い言葉でした。しかし、そのセリフが音として自分の中に響き、しみ込んで行くことによって、作品の世界に近づくひとつの助けとなったのではないかと思います。冒頭に書いたように、この芝居を見るまで、言葉が分からないと芝居を楽しめないと思っていました。しかし、この作品のように、言葉がわからなくても作品の持つ空気を楽しめるものもあるのでは、と今は思っています。

     これだけは言いたいことがひとつ、最後にばーっと飛んで来た銀の筒状のものとあの演出、大好きです。あそこでとても興奮しました。

    SINDYANA group fromチェニス/ 「Woman Sindyan-センディアナの女」/ 作・演出・出演= ザヒーラ・ベン・アマール

     こちらの作品は先の作品と比べ大人しいように感じられました。舞台全体で一斉に何かが起こるようなものではなく、一人の女性がぼやくように話が進んで行きます。面白いと思ったのは、その独り言のようなセリフが、私たちに話しかけて来ているのか、それともあくまで一人ぼやいているだけなのか、微妙なところをふらふらしていたところです。虚ろな目をして遠くを見ていると思ったら、突如激昂し、大きな声と身振りで気持ちを表現する。内容はシリアスでしたが、少しかわいく感じました。

     セリフが大切な劇だったので、訳が出たのですが、訳と劇を二つ見るのが少し疲れました。所々劇を見落としていたり、訳を読み忘れたりしているところがあるように思います。

     政治や国の情勢のことは難しく、自分が勉強不足というのもあり、語りたくありませんが、今回の劇を見て、彼らがどんな環境で活動し、生きているのかということは、とても伝わってきました。彼らの劇に心を奪われた一人として、是非また出会えることを心から祈っています。(2010.2/12(金)19:00)

    | 劇評 | 12:34 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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