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☆Alice's Review☆

  タイニイアリスで上演された作品の劇評たち ―Crazy Tea Party―
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三一路倉庫劇場 ミュージカル「結婚」__明 成俊
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     8月15日と18日、新宿3丁目にあるタイニアリスという劇場でミュージカル`結婚`を観ました。
     個人的には15日の公演が18日より良かったと思います。やはり、ミュージカルというのは他のジャンルより俳優のコンディションが重要なので、初日の方が全体的にコンディションが良かったのだろうと思います。
     日本の演劇関係の人が、小劇場で行われるミュージカルというものに興味をもって見に来た、発想が面白かったと言っていました。日本では小劇場ミュージカルというものが珍しいジャンルだからでしょう。
     ミュージカルというジャンルが大衆化され、今ではもう定着したと言っていいと思いますが、小劇場で行われる芝居にミュージカルの要素を取り入れようとする動きは、韓国のほうがより活発ではないかと思いうす。韓国ではこの作品をはじめ小劇場ミュージカルとしてロングランした作品は多くあるからです。
     ミュージカルというと、大きな舞台、華麗な照明の下に俳優の歌声が響き、舞台を満たすダンスが観客を圧倒するといったイメージがありますが、小劇場ミュージカルの魅力は俳優の演技をより身近に感じ、歌に集中して聴くことができるところにあります。観客の目線は俳優と同じなのです。

     今回は、演出家が舞台に出てきてピアノを演奏したので親しみ易く、ばかりでなく、いっしょに歌いましょうと観客の積極的な参加を誘ったのでその親近感はさらに増し、題材に誰でも一度は経験する結婚を取り上げたこととも相俟(あいま)って、思わず顔に笑みが浮かんで来てしまうような楽しい作品となりました。韓国でロングランした理由もここにあったのではないでしょうか。
     そしてこの「結婚」。男の財力や社会的地位のみで相手を選び結婚しようとする女性と、豪華な屋敷を借りてその所有者であるかのように装い、やってきた女性の外見で結婚を決めようとした男が主人公に設定されており、今の社会についてのメッセージも十分ある――はずでした。
     しかし、上記したような主人公たちが登場したにも関わらず、実際の舞台は私の予想とは異なる方向に進んでいきました。
     主人公たちの設定から私は、結婚ってそれでいいの?といった社会への疑問が自然に浮かび出てくるものと思ったのでしたが、舞台では、女性の話す生い立ちからドム(おまけ)という概念がクローズアップされていき、男性の貧しさがバレるにつれて私たちが所有していると信じているものはすべて借り物であるという考え方に移行していきました。
     人はいつか必ず死ぬ。自分のものも束の間の借りものにすぎないという男の歌は、確かに忘れていたこと、考えようとしなかったことを自覚させてくれて貴重でした。が、その一方で、この主人公たちの設定に多くを詰め込みすぎたのではないかという疑問が湧いてきました。一つの作品で扱うには多すぎる主題を少しづつ出してきて、そのため劇全体を貫通し引っ張る力が足りなかったのではないかと思われたのです。一緒に歌おうと観客を誘う時間を節約してでも、主人公たちの最初の、結婚に対する姿勢をそのまま肯定するのかしないのか、作品全体の主題をどこに置くかにもっと時間を増やしたら良かったのでは?と思いました。
     全体的に俳優が舞台と客席を分けず、自由に使い、その表情から公演自体を楽しもうとするのが感じられ、こちらも自然に微笑んでいました。演出家がピアニストと呼ばれ登場人物の一人として出演していたのも、彼が演劇というものをどれだけ楽しい仕事と考えているかが想像されてよかったです。
     演劇というものが創る人にも観る人にも、いかに人生の幸せを与えてくれるものであるか改めて感じました。
    | 劇評 | 03:49 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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