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☆Alice's Review☆

  タイニイアリスで上演された作品の劇評たち ―Crazy Tea Party―
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I.N.S.N.企画 「破産」__森 薫
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     作・出演長田紫乃のブログを覗いてみたら文学座演劇研究所の出身とあったし、演出の望月純吉、古本屋と焼肉屋の主人を演じた得丸伸二、出版社の編集者役の浅地直樹も文学座。INSN企画はきっと“新劇”系統の、しかし従来の“新劇”ではない何かに挑戦しようとする人たちの集まりに違いないと、観る前からの期待は大きかった。
     そして実際、その期待は外れず、とても面白く、時間を忘れて観ることができた。俳優はみんな巧かったし、装置も過不足なく落ち着いていた
     とくに面白く、目を惹きつけられて観たのは主人公の作家を演じた いしだ壱成。昔は売れたのに今は仕事なく、マンションの22万円だったか25万円だったか高い家賃や、カードローンの支払いに困って、折角の蔵書を売ろうと古本屋を呼ぶところから始まっていった。
    舞台は、元彼女が勝手に入ってきたり、同じマンションに引っ越してきたと占い師と称する女性が挨拶に来て近所づきあいが始まったりするが、とくにストーリーといったものはない。作家の行動も、本は売るくせに壁に飾った好きな絵は売ることを断るし、元彼女にはなけなしのお金やっちゃうし、矛盾だらけで一貫した哲学なんてものはまるでない。1,430円だったか、僅かな金に困って元彼女に電話入れたり、かと思うと、占い女性に借りに行き、シャワーに入れと求められて思わず身を引いたり。
     ではこの作家。生活していけないのかというと、そうでもない。出版社の編集者たちと焼肉屋で飲み食いするシーンでは何十万とか何百万とか、普通の庶民には想像もつかないような高額な執筆料の話が飛び交い、実際、最後に彼は講談社の編集者から仕事の注文を貰うことができる。そして舞台は最後、正面の椅子に死ぬのか死んだのか?頭から白い布を被せられた元彼女が掛け、占い女性が出て来て、術でもかけるのかな???というところで終わった。
     普通ならなーにこの人と言いそうなチャランポランで必然性なしの、主人公の「破産」的な日常を、いやあ、現代の日本に生きるってことはこういうことなのかも知れないなんて思わせたのはおそらく、いちだ壱成の現代っぽい、イケメン小顔と細身、お洒落なスーツ、今あったこと、したこと言ったことに全く拘(こだ)わりなく、その時その時に対していく軽やかな身のこなしであったに違いない。
     観ていてこの作品の書き手はモノ書きに違いない、とも思った。とつおい物思う作家が自分の日々を距離を置いて客観的に眺めてみたのかも?と。
     こうした、一見、作者のメッセージを全く書きこまないで現代を描くという方法は偶然に生まれたのかそれとも新しい作劇術への挑戦か。次作に注目したい。(2014.2.12)
    | 劇評 | 06:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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