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  タイニイアリスで上演された作品の劇評たち ―Crazy Tea Party―
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少年王者館「シアンガーデン」__明 成俊
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      リズミカルな詩か、空想科学のパレードのようだ。

    少年王者館の第39回本公演「シアンガーデン」(作虎馬鯨、演出天野天街)を8月22日、ザ・スズナリ劇場で観た。

     

      古いアパートの3つの小さい部屋でロボットを作る男、少女と少年に天井から見える争いの絶えぬ赤い国について話してくれるおじいさんと日記を書く少女が暮らしている。ゴミみを拾い集め、それを組み立ててロボットを作っている男は引きこもりだ。ひたすらロボットを完成させることに夢中になっている。狭い四畳半部屋という物理的な空間で広い世界を描いている彼の夢は、ロボットで世の中をぶっ壊してきれいな街づくりをすることだ。

     

      しりとりのような言葉遊びを用いたセリフを役者は余韻の効果を最大限活かして表現し、 舞台装置や照明、ダンスは完成度高い。音楽や照明は幻想的な雰囲気を漂わせる。とくに雨粒をイメージ化したダンスやロボットのような節度のあるダンスは作品の理解を深める。

     

       この作品でもっとも注目したのは、描かれる世界観である。花と雨粒、ロボットを動かすために必要な塩分を求めて醬油を探すソノコ、植物図鑑が転々と渡されることは「生と死」の標識でもあるかもしれない。住人は生きているのか死んでいるのかも不明で、鬼ごっこをしながら遊んでいるのは生きる者が死者を探す儀式のようにみえる。このように作品では「生と死」が交っているようだった。

     

     作品はいくつかの物語に散乱しており、それが収まらず主題に向けて観客を引っ張る力は足りなかった気がする。また、人物間の関係設定にはあいまいなところがある。役者のチームワークは良かったが、それぞれのキャラは片面的で個性は見えなかった。

     

     完成したロボットは自分の存在理由である世の中をぶっ壊すことができるだろうか。そして、きれいな街づくりを成し遂げることができるだろうか。すべてがなくなった「無の世界」に蘇生したロボットを応援したのは、新たな世界への期待感なのか。演劇が終わり、カーテンコールのときから浮かんだ疑問は、雨が止んだ後に湿気を帯びた空気のように残った。(2017.9.11

    | 劇評 | 18:13 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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