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☆Alice's Review☆

  タイニイアリスで上演された作品の劇評たち ―Crazy Tea Party―
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楽天舞隊「三人三色」__西村博子
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    たいていの俳優はただ与えられた役に力を尽くすだけ。表現の肝心かなめは作・演出におまかせで、そもそも表現したいことなんてまるで内部にないのじゃない? ずっと私は疑っていたのだが、それがそうではないと判って、嬉しかった。石垣まさき(第一話)、大田良(第二話)、中澤昌弘(第三話)、それぞれが原作を担当した楽天舞隊の「三人三色」である。原作を書いた俳優はむろん、それぞれの主役を演じる。俳優がただ演技が上手か下手かだけでなく、その人のものの見方、感じ方が見えて、いい。

     その三つの話を、洒落たオムニバスに仕立てあげ、演出もしたのが待田堂子。この作・演出がなかなか頭いいのだ。まず、とあるマンションの一室を、家具の配置をちょいと換えるだけで、たちどころに401号室、402号室、403号室にしてしまうのだ。同じつくりの部屋の、2室の交替までは他でも見たことあるが、3室は始めてだ。なんとなくクスクス、楽しくなる。

     それも、流行らない探偵事務所の探偵が、訪れてきた刑事の、八甲田山で行方不明になった恋敵を探してくれという依頼を、見事に解決!?してやる「待ってて!コイサイマン〜誰だね?ちみは〜」。亡くなった恋人をどうしても忘れることの出来ない公務員のところに、彼に愛されたい彼女がやって来る。そこへ亡くなった恋人そっくりの女性も訪れてきて、えっ、ひょっとしたら?のシチュエーションが、彼の童話好きとそっくりさんの優しい心配りで、いつか彼は彼女と結ばれるかも……という「僕の居場所〜アネモネ・デイズ〜」。売れっ子の童話作家と会社勤めの妻。そこへ妻の、不倫相手の上司が訪れてくる。妻は妊娠しているのだが、その子の父親は?状態。それを知ってか知らずか童話作家がいれてきた紅茶、三つのカップ。さて誰がどれをとる? 一瞬暗転のうちに妻の悲鳴があがる「アルカイック・スマイル〜慎二の場合〜」――待田が最初に構想を提案したというハードボイルド、ラブストーリー、サイコホラー(アリスインタビュー)になっていたかというと少々考え込まなければならない話もあるが、みんな三角関係、誰かは必ず殺されるか、死んでいるか、死ぬ話を、それぞれちがった切り口でうまくさばいた。童話作家が死んだ部屋へ最初のへっぽこ探偵が飛び込んできて、ちょうど三話の円環を閉じたのもうまい。

     一つ疑問がある。第三話の悲鳴ののち、いちばん最後に残ったカップを飲んだ童話作家が死んでいた。そこまでは意外でいい。が、そのあともういちど童話作家が出てきて、青酸カリを自分で服用して死ぬのだが、あれはぜひとも必要だった? 私は想像人間だから勝手なことを想像するのだが、3室に間違って配達されたり留守で隣室が預かったり届けあったりする宅配便の段ボール。あれをもうちょっと、死体が入っているかも?(第一話)、あれはまさか青酸カリ?(第三話)……等々、ドアの外からの怖さにできなかっただろうか。まるで明智小五郎の小林少年みたいな探偵助手、このマンションは親父の持ち物でいずれオーナーになるというのが、実は引き篭もり青年だったという設定も面白い。あの設定をもうちょっと、3室全体を覆う状況と結びつけられなかっただろうか。 社会なんて大上段にふりかぶる必要はさらさらないが、もうほんのちょっとだけ部屋の外への目配りがあったら、エエエッ? ニッコリ、ギャッ!のオムニバスが見るものにつながり、可能態として膨らむのでは?と思った。    (2005.04.08)

    アリス インタビュー⇒〈待田堂子さん・石垣まさきさん・大田良さん・中澤昌弘さん〉構成:吉田ユタカ
    | 劇評 | 00:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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