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☆Alice's Review☆

  タイニイアリスで上演された作品の劇評たち ―Crazy Tea Party―
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ドロップD「これからこいつと×××」__西村博子
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    もしもこの“コント・コラージュ”と自称するふんわか・へんてこ芝居が一つのスタイルとして完成したとしたら、日本の演劇はまた少し豊かになる、かも知れない。が、その前途は相当キビシソーという感じがした。飯田ゆかり作・演出の「これからこいつと×××」である。アリス インタビューによれば日本劇作家協会の戯曲セミナー、別役実のクラスを受講した人とか。前回公演のとき、その別役先生に「志の高さを感じる」と励まされた、ともあった。聞くだけで嬉しく、心温まる。が、書くだけでなく実際に演出し役者を集め情宣・制作し経済的な責任まで持つ――こんなにもまともに受けてたってくれる生徒がいるなんて! 長いことコント書くことを奨めてきた先生自身、もしやとまどっていられはしないか?と邪推した。 飯田ゆかりとしては必ずいつか、僕のできなかったことをし遂げたと先生を驚嘆させねばならぬ。
    「夢機廖崔蠢箱」「はじめてのオフ会」「妄想機廖屮▲襯侫譽奪匹待ってるの」などなどから「妄想供廖嵬喚供廚泙韮隠気痢肇灰鵐函匹らなるこの舞台、筋をと言われてもむろん困る。可能なかぎり必然を外し、エッ?と思わせるところがミソだからである。同時にたとえば、はじめあんまり聞こえないセリフ、うまくない演技に弱ったなあと思い、なぜか必然のない体操に身体表現も入れなくちゃまずいと演出は思ったのかなあ、などと眺めさせておいて、終わりのほうでそれが、コールガール(松永衣吹)の入っているナントカ会の秘密?体操の、まあ伏線といえば伏線。関係ないことが突然なぜか脈絡するところもミソ、だからである。

    作者に言わせれば、「主人公の男が恋人に去られてから、いろんなことを経て、立ち直るまでもいかないんですけど、考え方をちょっと変えてみようかとなるまでのお話〈略〉ちょっとエキセントリックなコールガールや会社の先輩が絡んできたり」。「最初のテーマはエロだったんです(笑)。段々テーマが変わってきてしまって、でもこのエッチっぽい匂いは残したいなぁと思って」とも(同上インタビューより)。「あと全く別のつながりで、今回卵がクローズアップ」、「その卵を巡る男女が出てきたり」(同上)というところを私が補足すると、なぜか抽選で鶏卵を当ててしまった青年(高橋一路)、その雛が孵る。が、その雛がなぜか恐竜になってしまったらしいという話を、夢に見た話、となろうか。「妄想」のエロのほうがあんまり効いてこなかったのは、せっかくズボンまで脱ぐにいたるシーンもあったのに、そこそこの演技やパンツの色のせいか。ちっともドキドキしなかった。せっかくの卵は有精卵か無精卵か、男がもしも毎夜卵を温めるとどうなるか……イッケネェ! どうもコントなど見るものじゃない。私の頭もだんだん妄想っぽくなるではないか。

     いちばんいいのは男を主人公にしたところ。あるいは、しようとしたところ。今までの小説、戯曲の女はほとんど男によって描かれてきた。女もほとんど女しか描いてこなかった。せいいっぱい妄想逞しく、ぜひ男を書き続けていって欲しい。

     それから演技。もしこの台本をたとえば別役先生のように文学座アトリエの会などに渡したら、そりゃあそれなりにうまく演ってくれると思う。またガイジンの、Well−madeで鍛えた役者に渡せばそれこそ達者に笑わせてくれるにちがいない。だが、そうではなく、今の仲間で飯田ゆかり独自のスタイルを、いつか作ってくれたなら、と私は祈る。そのとき先生はほんとに心から良き後継者を持ったと喜んでくれる。私はそう信じている。

    アリス インタビュー⇒〈飯田ゆかりさん〉構成:北嶋孝@ノースアイランド舎、小畑明日香
    | 劇評 | 01:28 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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