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☆Alice's Review☆

  タイニイアリスで上演された作品の劇評たち ―Crazy Tea Party―
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机上風景「複雑な愛の記録」__吉俊
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    「リアルな演技、シリアスなエンタテインメント」を標榜する机上風景の舞台は、リアルを装い、シリアスを道具して、それこそを娯楽として提供するものでありました。 リアルとは書いてあるけれども、現実をリアルに描き出していくという訳ではなくて、どちらかというと虚構であり作られた世界をリアルな言語で語っていくという舞台。 四方を黒で囲まれた舞台に、テーブルが置かれ、木枠の窓が2つ垂れ下がっているだけというシンプルな世界、その舞台で同時に2つの部屋の表情が進行していく。

    複雑さという言葉は、物語における愛のベクトル数が多い事から生まれる複雑さでもありながら、同時に主人公が置かれた状況が生み出すたった1つの複雑な愛の形の記録という意味でもあるようだ。 個人的な感想としては、後者の物語をもっと大胆に描いていっても良かったのではないか?と感じる・・・脇を固める幾つかのベクトルは、複雑ではあり、事件性は強いものの、ただその為に入れ込まれた物語でしかなかったように思います。 主人公の女性の周りの風景を補強するための物語ではあるとはいえ、長くて且つ不用意な展開は、全体的な視点から見ると、どうも必要以上に世界観を犯しているように思われました。

    という風に語るのも、主人公の女性を取り巻く物語というか、設定というか・・・に大変引き込まれまして、演じられていたおもちゃさんの雰囲気の良さも相俟って大変お気に入りでした。 1つのステージの上で、2つの部屋(マンションの隣同士)が重なるようにして描かれていくのですが、この時に、彼女の空間は空気が張り詰めていて見ていて心地よいものの、もう1つの部屋の雰囲気が雑で相乗効果になっていなかったから・・・ちょっと残念な感じ。

    正直言ってしまって、彼女の部屋の風景だけを描く「1人芝居」にしたらかなり面白いものになっていたのではないだろうか?と思う。 彼女は、超能力?でもって隣の家の風景が見えてしまうわけだが、彼女には見えるけど、観客には見えない・・・かすかな音とかから物語を掴むような舞台で、彼女の言動とかから物語を構築していく。 観客は断片的に描かれる隣の部屋の風景を想像し、その複雑な行為を楽しむのだ。 そういう楽しみは、舞台前半の彼女の素性が分からないまま物語が進んでいく時の、ドキドキ感とイコールのように思う。 とは書いてきたが、要は彼女が1人で封筒の中身を見つめながら言葉を語る雰囲気の綺麗さに酔いしれていて、それだけをダイジェストとして観て見たいなぁという思いから適当な事を書きました。

    物語とか演出とか、全体的な印象は良いです・・・笑いの殆ど無い物語を淡々とクオリティーだけで魅せていくアプローチはあんまり見かけない分野なので、頑張って欲しいですね。 物語が洗練されて、限りなくシンプルに必要最低限のところまで切り詰めていった時に、初めて机上風景のコンセプトは強い輝きを放つような気がします。 まぁ、今回の作品しか見ていないので、言い過ぎるのも良くないですしね・・・今回の作品からはそういう感想を持ちましたという一観客の言葉です。

    綺麗なシーンは本当、良かった・・・あの異様さが娯楽になる時に机上の風景は、形を持ち始める(化ける)のではないですかね? その為にも、いろいろと削って足すのを期待します。

    アリスインタビューに本作品に関するインタビューが掲載されています。

    デジログからあなろぐの吉俊が執筆させていただきました。

    | 劇評 | 01:50 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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